神社の入口や境内でよく見かける動物や灯篭、しめ縄、社紋、手水舎などの種類や言われについて解説しておきます。神社によっては狛犬や狛ハト、大木、池などがパワースポットと崇められる装飾物や場所があります。
狛犬・けん族
各地の神社境内で見かける狛犬には石製や銅製のものが多いが、神社本殿内に置かれたものには木造の場合もあります。
狛犬は聖域を守るシンボルで、神社の境内でもっともよく見られる動物です。
犬だけでなく獅子など別の動物の場合もあり、中国、遠くはエジプトから何らかの形で伝来したものという説もありますが、起源は定かではありません。
阿吽の二匹がいるのは、仏教の仁王の影響とも考えられます。
けん属は仏教の影響で使われる言葉で、神道では神使とも言います。その神社の主祭神にゆかりがある動物で、有名なところでは稲荷神社のキツネ、春日大社のシカなど。
他にも八幡神社のハトなどいろいろとありますが、これも、この系統の神社には必ずこの動物というわけではなく、神社ごとに違う場合があります。
中には、けん属の動物を狛犬にしている例もあります。
一般的に、寺社と平行に向き合う形で一対に置かれ、守るべき寺社に背を向け、参拝者と正対する形で置かれることも多い。
主な神社と眷属
伊勢神宮 | ニワトリ | 熊野大社 | カラス |
---|---|---|---|
出雲大社 | へび | 日吉大社 | サル |
石清水八幡宮 | ハト | 松尾大社 | カメ |
春日大社 | シカ | 三島大社 | ウサギ |
北野天満宮 | ウシ | 稲荷神社 | キツネ |
灯篭の由来
本来は仏教寺院に対するものでしたが、寺院建設が盛んになった奈良時代から多く作られるようになり、多くは僧侶が用いたとされる。
平安時代に至ると、神社の献灯としても用いられるようになる。
文字通り、灯(あかり)籠(かご)であり、あかりの火が風などで消えないように木枠と紙などで囲いをしたもので灯りをともし、祭りなどで神様がお出ましになる際の目印ともなりました。
奉納した氏子の名などが記されています。
注連縄(しめなわ)の由来
注連縄(しめなわ)は、神道における神祭具で、宗教上の意味を持つ紙垂(しで)をつけた縄をさし、標縄・七五三縄とも表記する。
縄の巻き方、本数などには、いろいろな形があり、大根締め、ゴボウ締め、輪飾りなど色々な種類の形式があります。
大根締めは両端がつぼまり、ゴボウ締めは片側のみが細い。
紙垂を垂らすのは日本古来の要素でしょう。注連縄の先はより神聖な場所であり、足を踏み入れてはいけない非日常の場所を示すこともあり五穀豊穣を願う慣わしが各地で行われている。
また日本の正月、家々の門、玄関、出入り口などに飾る注連飾りも、この注連縄の一形態であり、厄や禍を祓う結界の意味を持ち、大相撲でも最高位の横綱だけが、注連縄(しめなわ)締めることを許されています。
手水舎(てみずや)の由来
手水舎(ちょうずや・てみずや)は、水盤舎(すいばんしゃ)とも読みます。
通常神社、寺院の参道脇または社殿脇に置かれ、参拝者がお参り前に身を浄めるために参詣者が手や口をすすぐ施設のこと。
手水の起源は、神道に由来し、かつては聖域(パワースポット)を訪れる際に周辺に流れる河川の水や湧き水で身を清めていたことにはじまる。
イザナギノミコトは黄泉の国から帰った時、川で身を清めて数々の神様を生んだと言われています。
手水舎には柄杓が置かれており、それを使用して一回で手水(ちょうず)を掬い、左手、右手とすすいだ後、手に水をためて口をすすぎ、再度左手をすすいだ後に残った水で柄杓をすすぐのが一般的な使用方法になっている。
手水舎は通常、石材のものが多いが、鉄や木などの材料を用いたものも存在します。
社紋
神社の紋は社紋または神紋と呼ばれ、さまざまなデザインがあります。
巴紋が多いのは、神霊(パワースポット)を象徴する勾玉の形だからです。
天神社では、主祭神の菅原道真が梅を好んだことから、梅の紋がよく使われます。