鉢映りのよさが、盆栽の格を高めます。盆栽鉢の色形、特徴、選び方を紹介します。鉢には多くの色形、大小深浅があります。また、釉薬を使わずに土を焼成した泥もの、釉薬ものがあり、窯業地や鉢が作られた時期、作者などにより、特徴があります。盆栽に使われる蜂の産地は主に中国と日本。江戸時代に中国や日本で作られ、今に残る鉢は古色を帯び美しく、美術骨とう品としての価値を有しています。特に、江戸時代期に中国から輸入された鉢は、古渡りと呼ばれ珍重されています。
盆栽は鉢と樹が一体となった形を鑑賞します。そのため、盆栽愛好家者は二つの調和に重さを置き、調和を図ることを「鉢映り」と呼びます。たとえて言えば、鉢と樹は帯と着物のような関係にあります。「鉢映りがよい」とは、鉢と樹がともに引き立てあい、盆栽の格を高めていることです。また、鉢と樹の組み合わせには、直幹の樹形には長方鉢か楕円鉢といった目安があります。
楕円鉢
鉢の胴に模様を浮き立たせ、若草色の釉薬を施す。浅い楕円の鉢は、直幹や模様木の葉ものと合わせます。
長方鉢
泥もの。淵と雲を描いた脚が特徴。泥ものの浅い長方鉢には、直幹、模様木の松柏類が合います。
丸鉢
鉢の色合いが面白い釉薬もの。やや深く丸い鉢には、葉ものや花もの、実ものの模様木や半懸崖が映りがよいとされる。
正方鉢
鮮やかな青い釉薬が芸を見せている立法形の鉢。これに合う樹形は懸崖です。深い鉢は懸崖専用ともいえます。