伊香保温泉の石段が続く街並みは魅力的。
石段街はその下に山手の泉源から各湯宿に引湯される源泉がとうとうと流れ落ちています。樹脂ガラスごしにのぞける所があるので源泉の様子を確かめるといいでしょう。
この工夫や石段街は江戸時代初期に始まったというからすごい!
ヨーロッパの温泉地は保養環境を考えて計画的に街並みを造っていますが、日本はそうではありませんでした。
そんな中では伊香保温泉は考えにもとづいて形成された貴重な温泉町といえます。
これも戦国時代以来の歴史的経緯があったのでしょう。
何より泉源が伊香保神社の上に一つしかなかったのが大きい。
有力士族らが経営する各宿に、限られた源泉をどう分配するかを考えた結果、設計されたものだったのです。
伊香保本来の源泉は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。
要は石膏泉。しかも成分がバラエティに富む名湯で、鉄分を含むのがみそ。
伊香保の源泉は、湯船では茶褐色。「金泉」で名高い有馬温泉ほど赤みをおびた金色ではありませんが「黄金の湯」と称されるのも納得。
源泉は無色澄明なのに、湯船で黄金色に変色するのは、鉄分のせい。
伊香保温泉は、山手の泉源から湧出する様子も見れるようになっています。
伊香保伝統の色づく「黄金の湯」は、山手の泉源すぐの伊香保露天風呂で体験できます。
新しい町営源泉の「白銀の湯」。「白銀の湯」は泉温が低く、メタけい酸を規定以上に含む「温泉法上の温泉」ですが、湯量豊富なのがいい。
あくまで無色澄明な清らかさが「白銀の湯」の名にふさわしい。