神社は祭りを行う場所です。祭りとは、もともと共同体で暮らす人々の繁栄と安定を願うためのものでした。
それは、古来、農業と深い関係があるため、一年のサイクルが基本となります。
神社の儀式の種類
春秋には農作物の実りに関する祭りを。
6月と12月の晦日には、半年間に溜まった穢れを祓う大祓を行います。(写真:亀戸神社の大祓い)
また夏には病気が蔓延しやすいため、八坂神社の祇園祭など夏に行われる祭りには疫病祓いが目的です。
それとは別に、各神社のいわれに関する例祭も数々行われます。
たとえば上賀茂神社、下賀茂神社の葵祭、石清水八幡宮の石清水祭などです。
それらは多くが年に一度ですが、毎月決まった日に月並祭という小規模な祭りを行う神社も多いです。
特殊神事としては流鏑馬が有名ではないでしょうか。
疾走する馬に乗って矢を射る勇壮な祭りです。(写真:下賀茂神社の流鏑馬)
古代から神事として行われていましたが、中世に特に国府があった地で盛んになりました。
神を祀る国民の心とエネルギーに支えられた伝統が受け継がれ多くの神社にさまざまなパワースポットが誕生したに違いありません。
神社は、こうした共同体の祭りだけでなく、人生儀礼(個人的な祭り)にも対応しています。初宮詣(子供が産まれて初めてのお参り)や七五三などです。
初詣も、その年の幸せを祈るという点で、個人的な人生儀礼と言えます。
神社で行われる様々な祭
大祓
6月の大祓は多くの神社で行われ、芽の輪が立つこともあります。12月の大祓は、大晦日の深夜から初詣をする人が多いため、芽の輪を立てる所は少ないようです。
新嘗祭
毎年11月23日に、天皇陛下がその年の新嘗を神様にお供えする儀式が宮中で行われ、それに倣って、全国の神社でも新嘗祭が行われます。戦後、この日は「勤労感謝の日」として国民の祝日となりました。
祈念祭
毎年2月17日に、宮中や伊勢神宮をはじめ、全国の神社で行われます。としごいの祭とも呼ばれ、新嘗祭と対になります。
春のはじめに五穀豊穣を祈り、秋の収穫に感謝するというサイクルです。
式年祭
決められた期間ごとに行われる祭で、例祭より規模が大きいことが多いです。
7年に一度行われる諏訪神社の御柱祭や、伊勢神宮の式年遷宮(20年ごとに社殿を造りかえる)もその一種。