神社の建物には拝殿と本殿(神殿)があり、拝殿は寺で言えば外陣(拝む場所)、本殿は内陣(拝む対象を祀る場所)と考えればよいでしょう。拝殿と本殿がひとつになっているところもあれば、拝殿のみで、遠くにあるご神体を拝む形になっている場合もあります。
神社の本殿の由来
本殿には、ほとんどの場合、何らかのご神体が祀られています。
ご神体は、神そのものではなく神が依り憑くものです。
たとえば神無月には日本中の神様が出雲に行かれますが、そのとき出かけた神は不在なのですが、留守番の神が(神社に)いると考えられたりするのです。
建て物の中にご神体を祀るようになったのは五世紀ごろと見られますが、詳しいことは分かっていません。
建築様式(下図)はさまざまで、鳥居とおなじく、仏教の影響で次第に装飾的になる傾向があります。
大社造(写真A)
神明造と並ぶ最古の建築様式。切妻造で妻入。屋根は美しいカーブを描く。本殿内部の真ん中に心御柱という太い柱がある。
代表例は出雲大社本殿(国宝)
神明造(写真B)
もっとも古い形の寺社建築様式のひとつ。切妻造で平入。奥行きより横幅が広く、高床式の倉庫かた発展したものと考えられています。
代表例は伊勢神宮正殿。
春日造(写真E)
切妻造で妻入。入口の前の上に階隠と呼ばれる庇がついていつのが特徴。
屋根には優美なカーブがある。代表例は春日大社本殿(国宝)
流造(写真C)
平入で切妻造の屋根の入口側が長く伸びた形。多くの神社で見られる普遍的な様式。
代表例は、宇治上神社(現存する最古の神社建築、国宝)
住吉造(写真D)
切妻造で妻入。屋根は曲線でなく直線的で、古式な形。内部は中央で仕切られ、後部を内陣、前部を外陣とする。代表例は住吉大社本殿(国宝)
妻入と平入(写真F)
出入口が、棟木と平行する面にある形式を平入、棟木と垂直する面にあるものを妻入と呼びます。屋根は切妻造が多いが、入母屋造の場合もあります。
八幡造(写真H)
切妻造で平入の建物が前後に二棟並びます。後ろの建物を内殿、前の建物を外殿と呼びます。
横から見るとM字型になっています。代表例は宇治神宮本殿(国宝)。
千木と鰹木
屋根の上にV字型に突き出した千木は、内削ぎなら女の神様、外削ぎなら男の神様を祀っていることを表わすという説もありますが、すべてに当てはまるわけではありません。
鰹木は棟木の上に並ぶ鰹節のような形の飾り。
※(画像の一部はウィキペディアより引用)