盆栽は、樹のどこが主な観賞点なのかを基準にして分類されています。この基準に従い、「松柏、葉もの、花もの、実もの、草もの」と5種類に大別されます。また、常緑針葉樹の松柏以外のすべての樹、広葉樹の葉もの、花もの、実ものを総称して雑木(ぞうき)とよびます。草ものは草本性の植物で、ほか4種は木本性、つまり木です。
四季の変化により、その姿を変える盆栽は、種類によって、観賞に適した時期が異なっています。松などの松柏は、四季を通じて鑑賞できますが、新緑が整い、美しくなるのは秋です。落葉樹の葉ものは、四季の変化も楽しめるけど、最も華やかになるのは紅葉する秋。ただし、落葉樹のほうが風情があり、幹や枝付きがよく見えて鑑賞に適していると専門家はいいます。
花ものは、春を告げる梅にはじまり、春から初夏にかけてが花の盛りになります。実ものは、鼻と実の両方を楽しめるけど、やはり実が赤や黄色に染まる秋が美しくインテリアとして人気です。草ものの中でも、イグサなどのように水辺の風景を思わせる草は、涼味があるので夏、草花開花期が観賞時期です。季節に応じて様々な盆栽が楽しめます。これも盆栽の魅力の一つといえましょう。
●松柏・・・日本の風景を想起させる。風格と古式を揃えた盆栽の主力
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松柏ならではの力強さ、風格と千姿万態(せんしばんたい)の姿を愛でる。常緑樹なので1年中緑が楽しめます。荒れてささくれた幹肌から古色を感じ取れます。
盆栽といった場合、誰もが思い浮かべるのが、常緑針葉樹の松柏です。マツ類を主とした松柏は、力強さと優美を兼ね備えた、日本の代表的な樹種です。格式が高く、盆栽の中心を成してきたため、樹齢を重ねた名品名木が数多くあります。古くは、盆栽の陳列の際に、この松柏を主木にすることが不文律だったそうです。現在も、松柏を主に作っている盆栽愛好家が多いですね。
松柏はあらゆる「樹型」を作り出すことができます。その姿から、海浜や湖の辺、険しい山など、様々な日本の自然風景を想起させます。細い幹の松が数本植えられた「寄せ植え」から、海辺に吹く松風を感じ、断崖絶壁に根を張る姿が見えます。これが人を惹きつける松柏の大きな魅力です。※上図の商品は【盆栽妙】公式サイトで詳しくみれます。
雄しく男性的なクロマツ、優美なゴヨウマツの2種類が、松柏の両雄。舎利や神をよく見せる真柏(しんぱく)も、その神秘的な姿を好む人が多く、評判が高い。主な植物に、クロマツ、ゴヨウマツ、アカマツ、キシキマツ、エゾマツ、シンパク、トショウ、スギ、ヒノキ、イチイなどがある。