盆栽用語

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盆栽の世界にも特有の”符牒(ふちょう)のような言葉があります。理解を深めるために、これだけは知っておいてほしい盆栽の専門用語を紹介します。

この記事の目次

盆栽を楽しむ専門用語

【頭(あたま)】

樹の頭頂部。樹冠部ともいう。

【石付き(いしづき)】

盆栽樹形の一種。鉢の代わりに味のある石に黒い粘土状のケト土などを用いて樹を飢えつけたりして樹と石を一体化させたもの。

【一の枝(いちのえだ)】

根元にもっとも近い一番下の枝。

【忌み枝(いみえだ)】

美貌をそこねる枝。鑑賞に適さない枝のこと」

【上根(うわね)】

鉢土の表面近くにある横に張った根のこと。盆栽は上根を美しく張らせるのがポイント。

【枝を抜く(えだをぬく)】

枝をつけ根から切り取ること。盆栽界では「切る」を嫌って「抜く」という言い方をします。

【追い込む(おいこむ)】

伸びすぎて樹形のバランスを崩している枝を、幹近くの芽の先まで切り戻すこと。

【改作(かいさく)】

盆栽樹形を大きく変えること。

【飾り(かざり)】

卓や添配、掛け軸などを用いて鑑賞に適した状態の盆栽を室内に飾ること。棚飾り、席飾りなど。

【株立ち(かぶだち)】

ひとつの株の根元からたくさんの幹が立っている樹形。主幹となる太くて高い幹と、主幹よりも小さく、高さや太さの異なる数本の幹で構成されています。

【皮性(かわしょう)】

幹肌の性質のこと。

【寒樹(かんじゅ)】

落葉樹の葉がすべて落ち、幹と枝だけになった姿のこと。

【鑑賞鉢(かんしょうばち)】

樹の魅力を増す鑑賞に適した上質な鉢のこと。本鉢、または化粧鉢ともいいいます。

【完成樹(かんせいじゅ)】

観賞するのにふさわしい状態になった盆樹のこと。

【曲を付ける(きょくをつける)】

幹や枝を銅線などを使って曲げること。模様付けともいう。

【草もの(くさもの)】

山野草や高山植物、あるいは多肉植物などを盆栽にしたもの。主木を引き立てる「添え」としても多用される。

【懸崖(けんがい)】

断崖に根を張り、風雪に幹や枝を押し曲げられながら懸命に生きる樹の姿を模した樹形。枝先が鉢よりも下にあれば「懸崖」、鉢底より上にあれば「半懸崖」といいます。

【こけ順(こけじゅん)】

幹の根元から先端にかけて次第に細くなっていく様子。これを上手につけることにより、自然の樹木らしさや大木感が生まれる・

【座(ざ)】

樹の根が癒着しながら四方に広がっている様子。

【作(さく)】

盆栽の仕上がり具合のこと。「育成する時間」の意味もあり、「この機はひと作(1年)したら見られるようになるよ」などという。

【地板(じいた)】

盆栽を飾る際に用いる木製の敷物。

【時代(じだい)】

古さ、、または古色感。古い北使いこまれた鉢などに対して「時代がのっている」という。盆栽の消化のポイントのひとつ。

【仕立て鉢(したてばち)】

観賞用ではなく、樹をつくる段階で用いる鉢のこと。樹の生長をうながすため、通気性がよい大きめの鉢が使われる。

【締める(しめる)】

伸びすぎた枝などを短く切り戻して、全体を小さく整えること。

【斜幹(しゃかん)】

海岸や山の斜面といった不安定な場所で、強風にあおられて斜めに伸びている樹の姿を模した樹形。

【舎利・神(しゃり・じん)
傷ついたり折れたりして幹の木質部がさらされ、白骨化した部分。一般的に幹が枯れたものを神といいます。盆栽家はしばしば生きた幹に彫刻を施して舎利や神をこしらえています。

【樹格(じゅかく)】

樹の品格。正しく育成すれば年々樹格があがります。

【主木(主木)】

飾りの際に主役になる樹。一番目立つ位置に飾られる樹のこと。

【松柏(しょうはく)】

一年中葉をうけている常緑針葉樹の盆栽のこと。その総称です。

【正面(しょうめん)】

盆栽を鑑賞するのに、もっともふさわしい面。向きのこと。

【卓(しょく)】

床飾りの際に盆栽をのせる専用台。

【双幹(そうかん)】

盆栽樹形の一種で、ひとつの株から2本の幹が出ているもの。幹は大きさ、高さともに強弱がつくように仕立てられる。

【雑木(ぞうき)】

松柏以外の葉もの、花もの、実ものなどの樹を総称したもの。

【添え(そえ)】

飾りの中で主木を引き立てるものの総称。添配や草ものなどもこれに含まれる。

【素材(そざい)】

これから盆栽に仕立てられる樹。一般には若い樹のことを指しますが、鑑賞に堪えない盆栽も素材とみなされます。

【立ち上がり(たちあがり)】

幹の根元から一の枝までの部分。

【直幹(ちょっかん)】

過ぎの木のように天に向かってまっすぐ伸びる樹形。根は四方にしっかりと張り、幹の立ち上がりは太く、上にいくにつれ細くなるのが理想的。

【泥物(でいもの)】

釉薬をかけずに高音で乾いた陶製鉢。朱泥、鳥泥鉢などがあります。

【添配(てんぱい)】

盆栽を飾る際の添えもの。動物や仏像、建造物など形や素材もさまざま。樹と一緒に飾ることで、大木感を強調したり、季節感を豹変したりして、景色をより具体的にする効果があります。

【徒長枝(とちょうし)】

必要以上に勢いよく伸びて、樹形のバランスを乱す枝のこと。

【肉巻き(にくまき)】

幹や枝の切り口が癒えて、傷口がふさがっていく様子。

【根上がり(ねあがり)】

盆栽樹形の一種で、鉢土の表面より高い位置に露出した大小の根が長い時間をかけて厚くなり、見どころとなったもの。

【根洗い(ねあらい)】

育成の間に鉢の中で根が回り、土がなくなった状態のものを鉢から抜き、根を露出させたままの姿で観賞するもの。

【根連なり(ねつらなり)】

盆栽樹形の一種で、一見すると寄せ植えのように見えるが、それぞれの樹が鉢上の表面を走る一本の根でつながっているもの。

【根伏せ(ねぶせ)】

味のある模様の根を土に挿し、太さに強弱がなく、全方向に均等に張った根は「八方根」と呼ばれ、美しい根張りの代表とされる。

【葉刈り(はがり)】

葉もの盆栽に有効な技法で、一度展開した葉を、葉柄だけ残して切り取ること。小枝をつくったり、葉を小さくするために使われる。

【鋏つくり(はさみつくり)】

針金をかけずに、剪定だけで樹形を作っていくこと。

【葉性(はしょう)】

大きさや形、色など、その葉の持つ特徴的な性質のこと。針葉樹な葉が太く短く、、まっすぐなおもの。雑木なら葉が小さくて、紅葉の際に発色が美しいものなどを「葉性がよい」といいます。

【鉢上げ(はちあげ)】

地植えの樹や草をはじめ、実生苗や押木苗を最初に鉢へ植え付けること。

【鉢合わせ(はちあわせ)】

樹の形や大きさ、葉や実の色などを考慮して、その樹にもっともふさわしい鉢を選ぶこと。樹と鉢のバランスがよいものを「鉢映りがよい」という。

【花もの(はなもの)】

雑木のなかで、花の咲く姿を味わう盆栽。

【葉水(はみず)】

葉の乾燥を補うため、霧吹きなどで葉全体に水分を与えること。葉の汚れを落とす効果もある。

【葉もの(はもの)】

松柏以外の雑木で季節によって樹の姿が変化していく様子を楽しむ盆栽のこと・落葉樹の寒樹の姿も味わいに富むので、鑑賞の大将になる。

【針金かけ(はりがねかけ)】

幹や枝に銅線やアルミ線を巻きつけて、屈曲させて樹形を形よく整える技術。

【吹き流し(ふきながし)】

盆栽樹形の一種で、強風に吹かれて幹も枝もすべて一方向に傾いている様子を模したもの。

【文人木(ぶんじんき)】

文人が好んだとされる、赤松に多い盆栽樹形。古くて趣きのある細い樹を使い、枝数を減らして品よく仕立てられる。

【箒立ち(ほうきたち)】

欅の代表的な樹形で、箒を逆さに立てたような樹形のこと。幹は根元からまっすぐに伸び、途中から避けるように枝が分かれ、その枝はさらに小枝へと展開し、細い梢で半円を描きます。

【丸幹(まるかん)】

無傷の状態の幹。針金による傷や枝を切った痕がない幹のこと。

【水吸い(みずすい)】

舎利や神に対し、水を吸い上げている生きた部分のこと。

【実もの(みもの)】

雑木の中で、実なりを楽しむ盆栽のこと

【室(むろ)】

冬越しのための盆栽を入れる保護室。あるいは保護ケースのこと。

【芽摘み(めつみ)】

伸びすぎた芽を摘むこと。芽の勢いの強弱をそろえるため、新芽を摘み取ること。

【持ち崩す(もちくずす)】

盆栽が完成樹としての最盛期を過ぎ、形が崩れてしまうこと。

【持ち込み(もちこみ)】

鉢に入れられた育成年数の長さのこと。長い間育成し、樹と鉢がなじんで趣きが感じられる状態を「持ち込みが古い」として評価する。

【模様木(もようぎ)】

根元から頂部にかけて幹の左右前後に曲りをもつ樹形。

【役枝(やくえだ)】

樹形の特徴や風情を表すのにもっとも上祐となる枝のこと。

【八つ房性(やつぶさしょう)】

普通種に比べて、枝葉が小さく細かくなる性質の品種。大木感を表現できるため珍重される。ゴヨウマツの「瑞祥」や「九重」などが代表。

【山採り(やまとり)】

山野に自生しておる樹を素材として持ち帰ること。昔から銘木には山採り木が多いが、現在では自然保護の観点から、ほとんどの地域で山採りが禁止されています。

【寄せ植え(よせうえ)】

複数の樹をひとつの鉢に植えたもの。盆栽樹形の一種。

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