安倍文殊院(あべもんじゅいん)は奈良県桜井市にある華厳宗の寺院です。本尊は文殊菩薩。創立者は安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)です。
平安時代、陰陽道にすぐれた安倍晴明が出生した寺としても知られる安倍文殊院は、切戸文殊(京都府宮津市)・亀岡文殊(山形県高畠町)とともに日本三文殊に数えられます。
宗教法人としての公称は文殊院です。
大化の改新の時に左大臣として登用された安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)の氏寺として建立されたといわれています。
創建当時の寺地は現在の文殊院の西南300メートルほどのところであり、鎌倉時代に現在地に移されました。旧寺地(桜井市安倍木材団地1丁目)は「安倍寺跡」として国の史跡に指定され、史跡公園として整備されています。
発掘調査の結果、安倍寺は東(右)に金堂、西(左)に塔が建つ法隆寺式伽藍配置をもっていたことがわかり、出土した古瓦の様式年代からも創建が7世紀にさかのぼる寺院跡であると見られます。
「東大寺要録」巻6には、東大寺の末寺の1つである「崇敬寺」が安倍倉梯麻呂の建立であることと、「崇敬寺」の別名が「安倍寺」であったことが記載されています。
獅子に乗った本尊「文殊菩薩像」は鎌倉時代の快慶の作で高さ約7メートルあり、日本最大です。
檀家を持たない祈祷の寺で、合格祈願など、「あらゆる願いを叶える寺」として、全国から多くの人が訪れます。
境内の一角にある白山堂は、加賀の霊峰「白山」をご神体とする白山神社の末社。
菊理媛命(くくりひめのみこと)を祀っています。
菊理媛命は、イザナミノミコトの縁を取り持ったことから、縁結びの神様として信仰を集め、若い女性やカップルの間で話題になっています。
住所:奈良県桜井市阿部645
アクセス
JR桜井線・近鉄大阪線 桜井駅 より奈良交通バスまたは桜井市コミュニティバス飛鳥線(3 〜 6月および8 〜 11月の土日祝日のみ運行)で「安倍文殊院前」下車
参拝:境内自由 9~17時