山野に自生している樹木の形を盆栽愛愛好家の先人たちが考える美しい樹の形に整えたものが盆栽界では「樹形」と呼ばれています。樹形はいかにもマツらしい形」であったり「高山で風雨に晒された木の形」であったり、樹の性格や樹が育つ自然環境を配慮して作られています。各々の樹形により、根張り、幹、枝葉に求められる形は違ってきます。そして、樹形を知った上で盆栽を鑑賞すると、よりその美しさが理解できます。その代表的な樹形を7つご紹介します。
直幹(ちょっかん)・・・隙のない調和のとれた三角形・樹形の基本
最も基本的な樹形です。幹がまっすぐ直立し、樹が空に向かってそびえている様を表現しています。樹の形全体が、左右対称の二等辺三角形であることが理想的です。
模様木・・・幹を曲げて曲線を作る、最も数の多い樹形
模様とは幹が緩やかな曲線を描いている様子を指し、曲げることを「模様を描く」といいます。上に行くに従い、曲線が強くなる木がよいとされます。
懸崖(けんがい)・・・断崖に根を下ろした木の姿を表現
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鉢底よりもさらに下に幹や枝が垂れ下がっているものが懸崖。樹の先端が鉢底辺りまで下がったものは半懸崖と呼ばれます。断崖絶壁に生きる樹の姿を表現します。
吹き流し・・・強風に耐え、高山に生きる樹姿
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高山の強風に晒され、幹も枝も一方向になびている樹を表現。標高2000mを超える山で見られる、力強い木の姿。吹き流しの樹形を成すのは、ほとんどが松柏類。
文人木・・・細い幹の繊細な立姿が文人好み
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江戸時代の教養人が好んだことから、この名が付いています。はじめは、中国の南画に描かれた樹を模して作れたそうです。幹が細く枝が少ないのが特徴。
石付き・・・石と共に自然風景を描写
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樹を石に根付かせて、深山や岩島に生きる樹の姿を写実的に表現しています。その始まりは古く、鎌倉期の絵巻にも描かれているほど。
寄せ植え・・・同種の樹を複数植え、雑木林森林の景色を再現
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同種の樹を2本以上、ひとつの器に植えたもの。草ものに限り複数種の寄せ植えがあります。林の深さを表現するため、樹の配列には細心の注意を払います。