◆参拝の作法とマナー
普通にお参りに行くなら、作法はそれほど厳しくないと考えていいでしょう。でも宗教施設に入るわけですから、水が冷たい冬場でも必ず手水をして清める、神前に立つ際には帽子を取るなど、最低限の礼儀だけは守りたいものです。
正式参拝と言って、所定の初穂料を納め、拝殿の中でお祓いを受ける場合には、ある程度服装を整えて出かけた方がいいでしょう。 しかし、必ずスーツにネクタイといったことではなく、各人がその場にふさわしいと考える服装でよいでしょう。
正式参拝は個人でも団体でもできます。
七五三などの特別な日でなくても、各自何らかの祈願がある時に、自由にいけばいいのです。多くの場合は、その場で申込めますが、人気の高い神社だと、事前予約が必要なこともあります。
どこの神社で何を祈願するかも、個人の自由です。またいくつかの神社でお願いするなどしてもかまわないようです。よく神様同士が喧嘩するので複数の神社でお札をいただいてはいけないという人もいますが、そもそも神道では神様がたくさんいらっしゃるのですから、気にしなくてもよいと思います。
礼拝の際の手順に関しても、さほど厳密な作法はありません。
二拝二拍手一拝が一般的ですが、これは明治以降、作法を統一する流れの中でできたものだそうです。
出雲大社などでは二拝四拍手一拝としており、山陰地方では、そちらの方が多い。
拝殿の前に礼拝の手順が書かれていることが多いので、それに従うのが無難でしょう。
●鳥居の入り方と参道の歩き方
鳥居をくぐる前には、まず軽く一礼したい。境内に入ってお参りする時間がない際は、ここで一礼するだけでも簡略化された拝礼の意味を持ちます。
参道の真ん中は正中(神様の通り道)であるから歩いてはいけないとも言われますが、それは神社の解釈によります。
現在では、ほとんどの神社で参道のどの位置を歩いてもよいが、まれに人が歩く道を横に設けている神社もあります。
●手水の作法
神様の前に立つ前の儀式です。まず左右の手を清め、水を手に受けて口をすすぎます。
この際、柄杓に直接口をつけないように注意しましょう。
忘れがちなのが、最後に柄杓を立てて、柄の部分に水をかけて清めることです。
また、柄杓を元の位置に伏せて返しておくことも大切です。
1右手で柄杓を取り、水を汲み上げて左手にかけて洗う。
2柄杓を左手に持ち替えて右手にかけて洗う。
3再び右手に持ち替えて、左の手の平に水を受けて口をすすぐ。
4柄杓を立てて柄に水を通して清め、元の場所に置く。
●拝礼の作法
標準的な二拝二拍手一拝の手順です。
拝は軽い会釈程度ではなく、90度くらい腰を折ります。
拍手は、打つ際に右手の指先を少し下にずらすのもコツ。
こうすると、境内に響き渡るよい音がします。
さほど厳密ではないとは言うものの、作法通りのお参りをするとすがすがしい気持ちになれますし、見た目にも美しいものです。心からよりパワースポットのエネルギーを吸収できるかもしれませんね。
◆拝礼の作法
1)神前に進んで姿勢を正す。鈴を奈鳴らす。
2)賽銭を入れたら、腰を90度に折り、深いお辞儀を2回行う。
3)胸の高さで両手を合わせ、2回たたく
4)このとき右指先を少し下にずらすのがポイント。
5)最後にもう1度お辞儀をする。
◆玉串拝礼の作法
正式参拝の際には玉串奉奠を行うことが多い。
神への祈念を象徴する行為であり、神道を代表する儀礼のひとつです。
玉串とは榊の枝に紙垂を付けたもので、自分の心を乗せて神に捧げるという意味があります。
作法はやや難しいですが、指導してもらえるので事前にマスターしておかなくても大丈夫です。
玉串拝礼の作法
1)神職が差し出す玉串を左手で下から受け取り、右手を上から添える。
2)胸の高さに持ち、玉串の先を時計まわりに90度回す。
3)左手を下げて玉串の元を持ち、祈念をこめる。
4)右手で玉串の先ほどを下から支える。
5)根元が神前に向くように時計回りに180度回転させる。
6)そのままの向きで台に置き、二拝二拍手一拝をする。