下諏訪温泉(しもすわおんせん)は、長野県諏訪郡下諏訪町(旧国信濃国)にあって、八坂刀売神(やさかとめのかみ)の湯玉伝説が残る温泉として栄えている。
「古事記」にその起源を神代の昔と伝えられる諏訪大社は、諏訪湖の南北に鎮座する四社から成っています。その一つ、下社秋宮は、中山道と公衆街道が交わる江戸時代最大の温泉宿場であった下諏訪の一角で、悠久の時を刻み続けています。
樹齢800年という杉の巨木が残る境内の手水に”錦の湯”源泉の「御神湯」が使われています。このように下諏訪温泉の起源は、諏訪大社と深く結びついているわけです。
現在では門前町と旧宿場町を併せ持つ古い温泉町という条件が揃っていることから、御柱大祭などがる時には多数の観光客が訪れている。
下諏訪温泉には次のような湯例伝説があります。
「祭神の建御名方神(たけみなかたのかみ)とのその妃、八坂刀売神ははじめ上社に同居していたが、ある時いさかいがあって下社に写ることになった。その時、宮の湯を「私の化粧の湯だから」と綿に含ませて運び。下社の地に置くと、そこから温泉が湧き出た」(松田忠徳監修「日本の千年湯」新潮社より引用)
それが綿の湯源泉です。綿の湯は諏訪大社直属の神聖な湯とされており、下社の七不思議のひとつに、不浄の者が入浴すると湯口が濁るとも言われています。
やわらかな綿の湯の源泉に浸かると、心の襞(ひだ)まで洗われたような清々しい気持ちになれる、確かに聖なるパワースポットです。
町内25ヶ所の源泉からは毎分6千リットルもの温泉(泉質は肌に優しい単純泉)が溢れ、10ヶ所もある公衆浴場はすっかり下諏訪の暮らしに溶け込んで、旅行客も気軽に湯めぐりを楽しむことができる。
聴泉閣かめや諏訪大社に隣接し、旧中山道と甲州街道の分岐点に位置する本陣宿として三百年余りの歴史を持つ。
下諏訪温泉へのアクセス
■住所:長野県諏訪郡下諏訪町
■交通:JR中央本線下諏訪駅下車