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上方歌舞伎の名品。
近松門左衛門の人形浄瑠璃である「冥土の飛脚」(通称梅川忠兵衛)の二段目を「封印切」といいます。
単独で上演されるほどの人気作品なのです。
せっぱつまった色と金にまつわるドラマ。
【あらすじ】
奈良の豊かな農家から、大阪の飛脚問屋に養子に出された忠兵衛。
なまじ育ちが裕福なので、かえって金銭感覚が甘く、分不相応のくるわ遊びにはまったのか・・・。
梅川という遊女と相思相愛の仲に。
やさしい人柄なので、忠兵衛は、くるわの皆に好かれている。
梅川との仲も皆がほほえましく見守ってくれるのですが・・・。
そこへとんでもない恋敵:大金持ちのぼんぼん・八右衛門が現れます。
総スカンの八っつぁん、ゲジゲジ、油虫の八っつぁんと色街中の嫌われ者ですが、とにかくお金だけは持っている。
何百両もの大金をちらつかせて「梅川の身請けだ」と息まくありさま。
忠兵衛のふところには、店の印の入った紙できっちり包まれた公金が・・。この封を切ってしまえば、即刻死罪なのだ。
だが・・・、八右衛門の挑発にのった忠兵衛は、封を切ってしまいます。
ジャラジャラジャラ・・と座敷に飛び散る、小判の音。
まさに破滅の音である。